〇糖尿病はインスリンの作用が不足して血糖値が高い状態が続く病気です。
インスリンは膵臓で作られ、筋肉などの細胞が血中のブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するのを助けるホルモンです。このインスリンの作用が不足して血糖値の高い状態が続くのが糖尿病です。
糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病などいくつかのタイプがあります。
そのうちの2型糖尿病の発症には遺伝的素因や生活習慣が関与しており、生活習慣の改善により予防することが可能です。
2型糖尿病の初期にはほとんど症状がありませんが、放置すると全身の様々な臓器に病気を発症します。これを糖尿病の合併症といいます。
〇糖尿病の合併症
目の奥の網膜にある血管が眼底出血を起こし、視力低下を起こす網膜症。腎臓の働きを障害し、重症になると透析療法が必要になる腎症。両足のしびれや感覚が低下する神経障害。神経障害や動脈硬化により、壊疽となり、足の切断が必要になったり、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞を発症したりします。その他、感染症や認知症、歯周病などのリスクも高くなるといわれています。
糖尿病を早期に発見し、早期に対応することが重要です。
〇糖尿病を予防しよう
2型糖尿病の予防には、バランスのとれた食事と、定期的な運動が重要です。
また、定期的な健康診断を受けることで早期発見と適切な対処が可能になります。
1. 適度な運動
普段から定期的な運動をこころがけましょう。
週に3回以上有酸素運動をおこなうことが推奨されています。ウオーキングやジョギング、水泳などが効果的で、20分以上つづけることがのぞましいとされています。週に2回以上の筋力トレーニングをとりいれることもよいといわれています。
日常生活で歩く時間を少しふやすだけでも予防効果はあります。まずは、好きな運動を始めてみましょう。
2. 健康的な食生活
べ過ぎと栄養バランスの偏りに注意しましょう。
野菜やくだもの、全粒穀物、低脂肪なタンパク質を積極的に摂りましょう。過剰な糖分や脂肪を控えるため、加工食品や甘い飲み物を控え、摂取カロリーを抑えましょう。食物繊維の豊富な食品(たとえば、玄米、野菜やキノコ、海藻類など)は血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病予防に有用です。
3. 体重管理
適正な体重を維持することで糖尿病のリスクを大幅に抑えることができます。
BMI(体格指数)を参考に健康的な体重を目指しましょう。
BMI 18.5-25が適切とされています。
体格指数 BMI =[ 体重 (kg) ]÷[ 身長(m) ]÷[ 身長(m) ] |
身長170cm、体重80㎏の人の場合は、80÷1.7÷1.7=27.7 となります。
4. 定期的な健康診断
糖尿病も早期発見、早期診断が重要です。
定期的に健康診断を受け、血糖値やHbA1cの値をチェックし、早期に対応することが効果的です。
糖尿病予備軍や糖尿病初期ではからだの中でインスリンに対する抵抗性が生じ、インスリンの作用が不足するため、インスリンが過剰に分泌されることがあります。空腹時のインスリン量を測定することも診断に有用です。空腹時のインスリン値と血糖値から算出されるHOMA-R値はインスリンに対する抵抗性の指標になります。
定期的な運動、健康的な食事、定期的な健康診断で糖尿病の発症を予防しましょう!
当院では糖尿病の予防から1型糖尿病、2型糖尿病の患者さんの治療や合併症予防など、予防から治療まで全般にわたって最新の知識を導入し診療しています。
今年は例年になく、温かい日が多かったですが、11月も中旬となり、ようやくこの時期らしい寒さとなってきました。
この時期になって気になるのが、インフルエンザです。11月になり、増えてきています。
感染症情報センターの報告では、都内419か所(2024年11月現在)のインフルエンザ定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は11月4日~10日の1週間で定点あたり1.12人と流行開始の目安となる1.00人をうわまわりました。首都圏では神奈川県で1.41人、千葉県では2.06人、埼玉県で0.93人とのことで、1人を超えるところがおおくなってきました。この数字が1人を超えると流行開始、10以上なら注意報、30以上なら警報となります。
インフルエンザは、重症化することもあり、特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方々にとっては注意が必要です。インフルエンザワクチンを接種することで、発症や重症化を防ぐことができます。また、多くの人がワクチンを接種することで、集団免疫が形成され、社会全体の感染拡大を防ぎます。
これから、クリスマスやお正月など楽しみなイベントが続きますが、人の集まる機会も多くなります。せっかくのイベントに楽しく参加できるよう体調に注意しましょう。
当院ではインフルエンザワクチンの接種をおこなっています。ご希望の方はインターネットまたはお電話でご予約ください。
糖尿病は血液中の糖の濃度(血糖値)が高くなっている状態です。しかし、血糖値が高くてもあまり特徴的な自覚症状はでません。
そのため糖尿病に気づかず、血糖値が高い状態が続いてしまうといろいろな臓器に障害がでるようになります。これが糖尿病の合併症です。有名な症状に視力の低下や失明、手足のしびれや痛み、腎臓障害などがあります。その他にも糖尿病は体中の血管に障害をあたえますので脳梗塞や、心筋梗塞、足の血管におこる閉塞性動脈硬化症などがおこることもあります。
しかし、早期に治療を開始することによってこれらの合併症が発症を予防することができます。
早期に治療をはじめることが重要です!!
次のような症状が思い当たる方は糖尿病の可能性があります。ぜひ受診しましょう。
① 健診で糖尿病の検査がひっかかった
② のどが乾いて水分を多くとるようになった
③ つかれやすい
④ 排尿の回数が増え、尿量も増えた
⑤ 手足先のしびれがある
⑥ 体重が増えた
⑦ 体重が急に減った
⑧ 長く歩くとふくらはぎのあたりが痛くなる
早期のうちであれば、食事、運動など生活習慣を改善するだけでよくなることもあります。
当院では血糖値、HbA1c検査の結果がすぐに出ますので当日のうちに診断可能です。
穏やかな日ざしにいつしか春の訪れを感じる季節となりました。
新年度に向けて忙しくなるこの時期、外出先でお店が見当たらずコンビニで食事をすませるときに、
手軽に食べられるパンをえらぶこともあるのではないでしょうか。
最近のコンビニは健康を意識した商品も増えており、栄養成分表示の記載もしっかりとされているので、
選び方次第でバランスのよい食事になります。
おススメの組み合わせ サンドイッチ + サラダ(ノンオイルドレッシング)+ 乳製品 |
☝選び方のポイント
☆パンはサンドイッチ
シンプルな具のものを選んで脂質は控えめに
食べ応えのあるフランスパンや食物繊維の多いライ麦・全粒粉パンのサンドイッチがおすすめ
☆サラダはチキン・豆・卵などたんぱく質が入ったもの
ノンオイルドレッシング を必要な分だけ使う
☆乳製品
無糖ヨーグルトや低脂肪牛乳など
タンパク質量の多いものもおすすめ
☝気をつけること
★砂糖に注意
菓子パンは主食ではなくおやつの仲間なので食事のかわりにするのはNG
菓子パンや野菜ジュースに含まれる砂糖は血糖値が急激に上昇します
★隠れた油に要注意
揚げ物・マヨネーズを挟んだサンドイッチや揚げパン、菓子パンは脂質が高め
さらにサラダにドレッシングをかけると油の摂りすぎになってしまいます
★野菜・たんぱく質を意識
野菜ジュースでもジュースはNG
血糖値の上昇を緩やかにするためにもかんで食べる野菜サラダを